カナダの持続可能な森林経営 その1
梅雨入りしましたね。
でも、昨日もお天気よかったし、今日もなんとか雨が降らずに保っています。
現場がいよいよ終盤のもの。これから上棟を迎えるもの。基礎工事に入るもの。
いろいろ抱えているので、ちょっとわがままですが、雨はあまり降り続けないでほしいものです。
さて、今日は技拓も非常に頻度の高いカナダ材について、
ちょっとお話ししてみましょう。
技拓では、フレーミング材に使用するSPF 外壁材・デッキ材や天井パネルに使用する
ウェスタンレッドシダー(米杉)は、すべてカナダから輸入しています。
以前、2月にカナダ大使館で行われたセミナー報告の際にも、この話題には触れました。
今回も、我々が利用するカナダ材について、多くの皆様にご理解いただくために、
ご紹介しようと思います。(※COFI資料より抜粋)
最近、「カーボンフットプリント」という言葉を耳にすると思います。
(※製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体において
排出される温室効果ガスをCO2量に換算し、わかりやすく表示するものです。)
単純に、カナダから船を使って運ばれてきた材料なんて、二酸化炭素排出量が
半端ないじゃない!!ってお思いになる方も多いと思いますよね?
なので、ちょっと読んでみてくださいね。
カナダは国土の約半分が森林です。
その総面積は約4億200万ヘクタールで、日本の国土の11倍に値し、
世界の森林面積の約10%、寒帯林の30%を占めています。
国内森林の91%は天然林で、カナダの森には、180種類もの豊かな樹木が茂っています。
この大切な森を持続可能な管理にするため、カナダの森林地の94%は公有林で、
政府が管理しています。
森林を維持しながら開発、管理する「保続生産体制」という基本理念に沿って、
20~25年先を見越した森林管理計画を策定しています。
カナダでは、伐採後植林が法的に義務付けられており、毎年約6億本の苗木が植林されます。
また、カナダ国内での年間伐採面積は、伐採可能な森林のうち、1%未満に抑えられています。
信頼性の高い第三者機関による森林認証を受けているので、日本に供給される木材は
合法的に伐採され、森林認証や徹底した生産履歴のある合法的認証材として
保証されている材なんです。
こうした取り組みによって、カナダ原生林の残存率は世界最高の91%。
伐採による森林減少率は過去20年以上にわたってほぼゼロというからすごい。
森林警察が常時パトロールにあたり、違反者には最高100万カナダドルの罰金が
課せられ、伐採の権利も取り消されます。
ブリティッシュ・コロンビア州では、1000万ヘクタール以上の森林を保護地域として
指定されているため、現在でも100年前よりも多くの木々が存在するそうです。
この巨大な森林は、二酸化炭素の一大貯蔵庫となり、カナダの先進的な森林対策により、
大気中に含まれる二酸化炭素を集めて森林に蓄積することで、カナダの伐採地から
日本に届くまでの、カーボンフットプリントは大幅に低減されていると言えます。
調査例でいくと、国際的調査機関である、アシーナ・インスティテゥートの調査によれば、
カナダの伐採地から日本まで輸送されるカナダ産針葉樹材(SPF)の
カーボンフットプリントは、排出される二酸化炭素より、蓄積される二酸化炭素の方が、
523㎏/?(CO2換算)多かったという結果が出ているそうです。
こうした点からもカナダ材の使用は、二酸化炭素削減において適切だといえるのです。
伐採された1本の丸太の93%が利用され、無駄を徹底的に削減。
製材屑は紙に、廃材は製材工場のエネルギー源やバイオマスエネルギーにとフル活用
なわけなので、温室効果ガスの排出量削減に大きく貢献しているのです。
カナダ林産業界から排出される温室効果ガスの排出量は1990年当時に比べ、
57%も削減されたんですって。すごいですね。
世界屈指の厳格な法規制と森林認証制度によって、かけがえのない森の恵みを
次世代に受け継ぐ取り組みがなされていると言うわけなんです。
ちょっと長くなりましたが、今日はカナダ材のカーボンフットプリントについてでした。
また、機会をみて、続きをお話ししたいと思います。
どうぞ、お楽しみに♪