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家の本当の価値を知ろう。

GITAKUが創業して、45年を迎えようとしています。
私たちが手がけた家は、延べ800戸近くになろうとしています。
大手メーカーなどと比べてしまえば、吹けば飛ぶような数ですが、湘南エリアや鎌倉・逗子・葉山、ときどき都内にも、私たちの建てた少し目に留まる佇まいの家が、街並みの一部としてあることに小さな幸せを感じます。

「長持ちさせる家づくり」を創業時に掲げた目標も、次期に折り返しの頃を迎えます。
それはつまり、家のバトンを次の世代に渡す頃が近づいているという証しでもあり、新しい価値観をもった世代の皆さんと出会う時期に差しかかったことも意味しています。

そんな折り、エンジョイワークスさん(湘南エリアで不動産業・建築業を営む会社 以下:EW)主催で「技拓の家の価値について考える会」というイベントが開催されました。今回は3名の施主様をお招きしつつ、技拓は聞き手に回りEWさんが会を進める、少し新しい形をとりました。内外の声を交えて、現在技拓が掲げている、「三世代100年を住み継ぐ家づくり」は正しかったのか、変わらない価値とは具体的になにか、私たちも改めて考えを深めているところです。

お招きした施主さんは、
Oさん:東京から生まれ育った鎌倉に戻り50代半ばで築25年の中古物件を購入。
Mさん:愛知から転勤で上京後、35歳で1棟目を新築。2棟目を新築し9年。
Hさん:東京から鎌倉に移り住み60歳目前で新築し8年。
技拓と出会った背景も、購入や新築に至った動機、その後の生活も様々です。

Oさんは東京で暮らし、50代半ばに生まれ育った鎌倉へ戻ります。海側エリアで物件を探していたものの、出会ったのは「結構酷い状態でした」と振り返る、山側エリアに建つ技拓の中古物件でした。大手ハウスメーカーが手がける海沿いの優良物件も候補にあがったものの、技拓の中古を買う決意をしたそうです。

Mさんは通っていた歯医者さんが技拓で家を建てたことも背中を押して、転勤で上京して7年が過ぎた35歳の春、思い切って新築。その前はアパート暮らしだったのだそう。ちなみにMさんはその10年後、最初の家を売却し2棟目を新築します。当初の家は外観に木を張れない準防火地区だったため、近所で木張りできるエリアに土地をみつけてのことでした。

Hさんは自然を求めて、鎌倉へ移り住みます。街で見かけた技拓の家に一目惚れして「買うつもりはないけど」と見学へ。そこで初めて、どうしても建てたいとの思いにかられ、年齢や一人暮らしを顧慮しながら無理のない範囲で考え、コンパクトな一軒家を建てることに。

実際にそこで、どんな暮らしが営まれているのかは、枚挙にいとまがなく書ききれませんが…。

「家は建てたその日からが、始まりです」とは、会長の和正の言葉。
家はあくまで最良の箱であり、その内側で育まれる日々は、住む人の想いや考えの自由に委ねられる。そう込められた想いを、皆様が自分の姿に合わせて解釈し楽しく暮らしている様子に、ほっとするような感覚を覚えます。

私たちにできることは、変わらない価値を見据え、優れた木材と工法、普遍的な空間設計を基に、メンテナンスを怠らなければ、それぞれの世代で自由に空間を使って100年を建て替えなく住み継ぐことができる家を建てることです。そして永い目で、施主さんと住まいのお手伝いをすること。

Oさんが購入された物件のように、前オーナーさんがあまり愛情を持てず、荒んでしまう家ももちろんあるのですが、そこにもう一度、息吹を吹き込んむのも住む人なのです。「変わらない価値」というのは、そうして実際に大切に住んでくださる皆さんによって育まれたものであり、結果として外側から頂いた評価なのかもしれません。

さて、その「価値」を最も分かりやすく意識できるのは、少し節操がないように聞こえるかもしれませんが、購入時の金額と、売却を検討した時の査定額となるのかもしれません。
今回、その評価の視点や仕組みを教えてくれたのがEWさんです。これまでも私たちの考えに賛同し、多くの技拓中古の仲介を手がけてきたEW さんを、お招きし施主さんの住まいを現状査定し、そこからヴィンテージの価値について、様々な視点で考えを深めていきました。

Oさんのように、セカンドオーナーさんがさらに売却となっても、やはり変わらない価値が付されること、Hさんのようにコンパクトな住まいでも、やはり同様です。これまでも技拓の中古は、駅からも離れていても、崖地など土地評価の低い場所に立つ物件でも皆さんが愛情深く住んでくださることで、ヴィンテージハウスとして高い査定を得てきました。

古い=安い という考え方ではなく、古くてもヴィンテージとして適切な価値がつくこと。これは、家が生涯で最大の買い物だからこそ、実はとても大切なことなのです。時代は大きく変わり、働けども若い世代のお給料が上がらない時代、家を買うことで背負う不安は大きくなっています。それはやはり、高い買い物をしても価値が残らないから。どうやってお金を返すのか、万が一の時に自分たちの生活はどうなってしまうのか、そういった不安を解消しながら、これからの世代にも技拓の家のバトンを繋いでいけたら、ビルダーとしてこれほど幸せことはありません。

新築でも、中古でも、私たちの家を選んでくださるみなさんと一緒に、これからの時代も歩んでいけますように。
このイベントも、少しずつ拡大していけたらと、思っています。

技拓