絨毯を考える
無くても生活はできる。
けれど、室内にプラスされると、周りの家具も室内もグレードアップされる。それが絨毯の魅力。
今回、お客様からの依頼もあって、鎌倉にあるシャーロムさんからご提案いただきました。(http://shahram.jp/)
オーナーのシャーロムさんが長年の経験を活かし、イランやインドへ直接買い付けに行っています。先祖代々イランで絨毯を扱っている家系だそうで、日本に向いているサイズやデザインをさがして輸入しているそうです。昨今は現地イランでも質の良いペルシャ絨毯が減ってきているそうです。それは労力と時間と賃金とのギャップ。織手さんが職を変えてしまう。だから質の良いオールドやアンティークの絨毯は値が下がらない。ものによっては経年と共に価値が上がる場合も。熟練の職人であっても一日に結べる数は5000個といわれています。だから2m×1.5mの絨毯を1枚を作り上げるのに3年ほどの時間がかかります。織手さんがコツコツ縦糸に1本ずつ結んでいく事を考えると、高価な理由が分かってきます。
ペルシャ絨毯は1000年を超える祇園祭の山鉾の懸装にも見る事ができます。当時は鉾の派手さを競うため舶来品の高級ペルシャ絨毯が使われたと思われます。
そんなこんなで、ペルシャ絨毯は、とても高価です。気楽に買える品物ではありません。
でもイランのウール絨毯は、気温差のあるところで育った油分のある羊の毛から作られており、汚れにも強いため、気楽に使ってほしいとの事。汚れはすぐに拭けば取れるそうです。もしひどい汚れがついても、国内にいるイラン人の絨毯専門のクリーニング屋さんで洗うこともできます。面白いのは、織り上がった絨毯の上を車で往復したり、岩肌に叩きつけたりすること。そうすることで結び目がしまり、絨毯がしなやかになるんですって。シルクに比べ歴史が古いのもウールだそうです。丈夫さと使いやすさでいったらウールなのかもしれませんね。 ペルシャ絨毯は、高価で手が出ないという方は、ギャッべやキリムも良いかもしれません。価格がリーズナブルになります。用途に合わせて選ぶのも良しです。
良い絨毯の選び方をシャーロムさんから聞くと納得します。安い理由は、染めが悪かったり、結び目が貧弱だったり、目が粗かったり、はたまた機械織りだったり(本物のペルシャ絨毯は手織りなんです)。 一度お店に寄って、お話を聞くのもよいかもしれません。
さて、今日のお客様はどれを選ぶのでしょう…