2月の情報
みなさま、ごきげんいかがでしょうか?
関東も春一番が吹き、ひょっこりとフキノトウも芽を出して安定した温かさがくるのかな?と思いきや、また寒い日が続いております。
春が待ち遠しいですね。
さて、今日のお話しは防災です。
先日「いつか来るその時に繋がる鎌倉暮らしの防災術」の中の災害時のトイレ事情についてのイベントに参加して参りましたので、皆さまにも共有したいと思います。
少し長くなりますが、ご興味のある方はぜひ。
ご家庭に防災グッズはご用意されていますか?
一般的に非常食や水、懐中電灯、バッテリー、銀の保温シートなどが主流かと思います。
トイレについてはどうされているでしょうか?
先日、埼玉でも道路の陥没事故により上流にお住まいの方には、下水の節水をお願いするようなこともありましたように、災害だけでなくインフラの老朽化でこうしたことも起きる過渡期にも来ているようです。あまり普段触れないちょっとセンシティブな話ですが、人が生きていく上で必ず必要になる大切な部分ですので、防災の観点だけでなく日ごろ準備があってもよいかもしれません。
災害時に水洗トイレを普通に利用してしまうとあっという間につまりの原因となり、汚物が室内に漏れ出すなんてこともあり得るので、とても大切なテーマだと思っております。
講師の方が、今回のお話しの前にとても興味深いことをおっしゃっていました。
日本でよく言われる「衣食住」。
災害によって生活がリセットされかねないことが起こることも、しばしば。
そんな災害中での優先順位がこの①衣 ②食 ③住となるのです。
体温を保持するための衣類が1位です。人は体温保持が可能なのは、なんと3時間。
あっという間に、低体温症になってしまうのです。
次に食事で、体力をつける。生き残る。
最後に体を休まる、生活をするための住居となります。
豆知識としてこちらも頭に入れておくとよいかもしれませんね。
さて、トイレの話に戻りましょう。
どこで避難しているかは地域や状況でまちまちですが、災害が起きた時避難所で困ること第一位がやはり「トイレ」だそうです。数が少ない、清潔でない等。
想定避難者数に対してトイレの備えが不足している自治体は6割以上と言われています。
最近では行政側も、トイレという密室は提供するので各自で簡易トイレセットは持参してもらいたいと呼びかけているそうです。
講師の方曰く、そもそも多くの方が使用する避難所だけでなく家族だけの自宅であったとしても、トイレは「パーソナル化」することが重要とのこと。
なぜか?それは病気や感染症などを防ぐためです。例えばジアルジア菌という菌は、典型的な糞口感染で蔓延していきます。

携帯トイレ処理セットがあれば、ひとりひとりが新しいビニールを使用できますね。またビニール手袋や手洗いの徹底(除菌)によって、他人からの感染を防ぐことが重要になってくるなど、非接触型のモノを意識することは家族内でも避難所内でも蔓延を防ぐ一番の術と言えます。
体調を崩しがちな被災時には、避難をせずに在宅被災をしている場合でもたとえ家族であっても、大切なのは上記のようなトイレを使う前の厳格なルールを決めることなのだそうです。
皆さまは、ご自宅に「緊急用簡易トイレ」または「トイレ処理セット」は、すでにご用意されていますか?
一人当たり1日5回はトイレに行くとされており、3日から1週間分×家族の人数分の準備が必要と言われています。さらに直下型地震など都心部の地震があった場合など復旧にかなりの時間を要すると考えると、1ヶ月分は準備して欲しいというお話しでした。
まず、必要なものは処理袋と凝固剤になるため、下記のようなものがセットされている簡易トイレ処理セットがお勧めです。販売されている商品は金額から個数まで様々な物があります。
防災グッズ緊急時の簡易トイレ処理セット
・凝固剤
・便器をカバーするためのビニール袋
・処理用の汚物用ビニール袋
・ビニール手袋(※)
・臭わない収集袋(※)
(※)印は必ず入っているものではありません。
こうしたものが50個入り100個入りという商品を用意しておくことが大切です。
簡易トイレを購入される場合には、便座の形が重要で、あまり小さなものだと手が入らないため、便座の長手は30センチほどあるものを選ぶとよいそうです。座った状態で、ペーパーを利用するのに必要な寸法だそうです。
また、帰宅困難者になった場合などに役立つ携帯用の簡易トイレ商品もあります。そして持ち帰るための脱臭保管袋のようなものも売っています。
講師の方は、女性ならばケイタイ用のヘアアイロンを持ち歩き、袋の空気を極力抜いて袋の口を熱で圧着することで匂いをもれなくする裏技を教えてくれました。それをさらにジップロックなどで保管するそうです。
また女性の場合、立ったまま尿を排泄することができるグッズもご紹介いただきました。
「携帯トイレ女性用 簡易非常用トイレ女性専用 女性用形態小便」などと検索していただければ、シリコン型のL字型っぽい商品が出てくると思いますので、ご参照ください。
専用の処理ケース(凝固剤付き)もありますが、ペットボトルでも代用ができます。

さらには、人の目を気にせず使用できるものとして、アウトドア用の雨具多機能ポンチョがお勧めとのこと。ポンチョを着ることで人に知られずに用を足すこともでき、また体を温めるためにも大切な雨具としても活用幅が広がります。モノによっては鳩目がついており、いざという時にタープになるポンチョもあるそうなので、検索してみるといいですね。
その他、あれば便利なモノは、便器を止めておくための養生テープや長期的に汚物を保管する密閉ケース(行政の回収まで保管になります)ビニール手袋、殺菌スプレー、ウェットティッシュ、トイレットペーパーの備蓄、大人のおむつ、などが挙げられていました。
また、庭先など外で用を足す場合、バクテリアが分解してくれる穴の深さは20センチほど。尿と便を一緒にしない(別にすることで匂いが出ない)、終わったら土(もみ殻OK)をかける、ペーパーは一緒に埋めずに別の袋にまとめるなど、アウトドア的なお話しもありました。
長くなってしまいましたが、今回のイベントは早め早めに備えておくことが大切と感じた有益なレクチャーでした。
起きてしまってから入手することは大変困難です。
私は1994年にノースリッジ大地震を経験した際、懐中電灯を買い忘れており本当に苦労しました。連続した余震が続くとあっという間に店頭から物が消えてしまい、買えずにいたところに大震災がやってきました。
これを読んでいただけましたら、一度ご家族様と話し合う機会を用意してみてはいかがでしょうか?
是非ご参考になさってください。